建売住宅の寿命の長さは?注文住宅との違いやメンテナンスを解説

建売住宅の寿命の長さは?注文住宅との違いやメンテナンスを解説

すぐに入居するためのマイホームを購入する場合、建売住宅を選択することがあります。
しかし、建売住宅は設計から自分が関わっていないため、寿命について不安を覚える方がいらっしゃるでしょう。
そこで今回は、建売住宅の寿命の長さはどれくらいなのか、建売住宅と注文住宅で寿命の長さに違いはあるのか、建売住宅の寿命を延ばすためのメンテナンスを解説します。

建売住宅の寿命の長さ

建売住宅の寿命の長さ

長く住むためのマイホームとして建売住宅の購入を検討しているなら、寿命の長さについて確認してみましょう。

そもそも建売住宅とは?

新築の一戸建てには、ほぼ完成した状態で売られている建売住宅と、自分で土地選び・設計・施工を依頼する注文住宅があります。
土地と住宅がセットになった建売住宅は、自分で土地を選び購入する手間と設計・施工にかかる時間が不要になるため、比較的安価で早く入居できることがメリットです。
ただし、オーダーメイドである注文住宅と違い、間取りやデザインなどにこだわれません。

建売住宅の寿命

2011年の調査では平均65年とされていますが、公的機関のデータとの差もあるため、一般的には30~40年とされることもあります。
過去にも同じ調査がおこなわれていて、1997年には43年、2006年には54年が、木造住宅が解体されるまでの平均的な長さとなります。
過去から現在に至るまで木造住宅の寿命が延びている背景には、技術の進歩があるといわれています。
木造住宅の建築技術や品質管理は日々進歩していて、こうした取り組みによって寿命は延びているのです。

法定耐用年数と寿命の違い

建物の寿命を考える場合、ひとつの目安となるものに法定耐用年数が挙げられます。
法定耐用年数とは、建物を資産とみなし課税するために必要な概念です。
建物は経年劣化し価値が減っていくことから、その価値に応じた税金を計算するために価値の残存期間である法定耐用年数が定められています。
一般的な建売住宅に多い木造住宅の法定耐用年数は、22年と定められています。
また、鉄筋コンクリート造であれば、法定耐用年数は47年です。
しかし、実際の木造住宅の寿命は65年ほどあることから、法定耐用年数は寿命とはわけて考える必要があります。
法定耐用年数は築何年までであれば建物に資産価値を認めるかをあらわすもので、実際の寿命はこれよりも長くなるのが一般的です。

建売住宅と注文住宅の寿命の違い

建売住宅と注文住宅の寿命の違い

建売住宅を購入する場合、気になるのが注文住宅との寿命の違いです。
建売住宅と注文住宅の寿命の長さに差はあるのか、確認してみましょう。

建売住宅は注文住宅よりも寿命が短い?

建売住宅は、注文住宅よりも寿命が短いと耳にしたことがあるかもしれません。
しかし、建売住宅と注文住宅の寿命を比較しても、その長さは変わらないといえます。
注文住宅のほうが長寿命だと思われがちなのは、建売住宅よりもコストがかかることから耐久性が高い印象を持たれやすいためです。
現在の建売住宅が注文住宅よりも耐久性が低いことはなく、寿命の長さも変わりません。
建売住宅と注文住宅の寿命が同等であるとされているのは、建売住宅の品質について定めた2つの法律が存在することが理由です。
建築基準法・住宅品確法2つの法律の内容を確認し、建売住宅の寿命と品質について把握してください。

建築基準法

建築基準法とは、建物を建てる場合に守る最低限のルールについて定めた法律です。
具体的には、安全な生活のために欠かせない耐震性や耐久性についての基準を設けています。
建売住宅も注文住宅も、同じ建築基準法に沿って建てられますので、注文住宅より安価な建売住宅であっても一定水準の耐久性を満たしています。
建物を建てる場合には施工前に建築確認申請をおこなうほか、施工後には検査をおこなうことが建築基準法のポイントです。
建築基準法のルールに反する建物は違法建築となり、検査済証が交付されません。
建売住宅を購入する前には、完了検査済みであることをあらわす検査済証を確認し、耐震性・耐久性に問題がないことを確認しましょう。

住宅品確法

建築基準法だけでは、目に見えない部分に対する手抜き工事のリスクを回避できない問題が残ります。
こうした被害を免れるために定められているのが、住宅品確法です。
住宅品確法は2000年4月に定められた比較的新しいルールで、正式名称を住宅の品質確保の促進等に関する法律といいます。
住宅品確法では、住宅を購入する時点において気付かなかった瑕疵に対して、10年間は売主が責任を負うと定めています。
具体的に住宅品確法で売主の責任となるのは、柱や壁といった住宅構造で重要な部分と、屋根などの雨漏りを防ぐ部分です。
引っ越し後に、柱・壁・屋根などに瑕疵が見つかった場合には、ハウスメーカー側が無償で修繕をおこなうことになります。
住宅品確法が成立するまでは手抜き工事のリスクがありましたが、住宅品確法によって現在では安価な建売住宅であっても一定水準の品質が保証されているといえます。

建売住宅の寿命を延ばすためのメンテナンス

建売住宅でも注文住宅でも寿命に差はありませんが、適切なお手入れをしなければ寿命は短くなってしまいます。
建売住宅の寿命を延ばすためのメンテナンス方法について、具体的な内容を見てみます。

外壁・屋根のメンテナンス

風雨や紫外線にさらされている外壁・屋根は、定期的なメンテナンスをしなければ劣化が進みやすい場所です。
外壁・屋根の塗装がはがれ劣化が進んだ場合、雨漏りや内部の腐食が起こりやすくなります。
また、木材が腐食した場合にはシロアリ被害が発生し、住宅全体が危険な状態になる可能性があります。
購入した建売住宅でこうした劣化を防ぐには、10~15年周期での塗装が効果的です。
状況によっては10~15年よりも早く外壁・屋根の劣化が深刻化するため、日常的に塗装の劣化を確認することが大切です。

雨漏りのメンテナンス

築年数の経過に伴って雨漏りの被害が一定数報告されています。
木造住宅では雨漏りによって腐食・シロアリといった被害が発生するため、発生してしまった雨漏りのメンテナンスが重要です。
住宅品確法において10年間はハウスメーカー側での無償修繕が約束されていますので、建ててから10年が過ぎる前に雨漏りの有無を確認しておくと良いでしょう。
10年が過ぎた後も雨漏りの有無を確認し、壁などに水の染みがある場合には専門業者にメンテナンスを依頼するのがおすすめです。

シロアリを防ぐメンテナンス

木造住宅では、シロアリを防ぐメンテナンスの有無によって寿命の長さに差が生まれることがあります。
シロアリは雨漏りで発生しやすい害虫ですが、雨漏り以外に湿気の多い水回りに発生する場合があります。
そのため、シロアリによる被害を食い止めるために、5年周期で防蟻処理をおこなうことが大切です。

建て替えをおこなう時期は?

一般的な木造住宅の寿命は65年ですが、劣化が進んだ場合にはこの前後で建て替えを考えます。
どのタイミングで建て替えをおこなうかは、建物の状態を確認したうえで決めるのが一般的です。
建物の状態はホームインスペクションで調べ、建て替えと修繕のコストを比べて検討しましょう。
建売住宅を購入してからのメンテナンスが適切におこなわれていれば、築年数が古くても建て替えせずにリフォームで対応できることがあります。

まとめ

建売住宅の寿命の長さは木造住宅だと65年ほどで、建築技術の向上により昔と比較して延びています。
建売住宅は、建築基準法・住宅品確法に沿って建てられているため、注文住宅と比べて寿命の長さは変わりません。
建売住宅の寿命を延ばすためには、外壁・雨漏り・シロアリに対する適切なメンテナンスの実施が大切です。


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