空き家の買取について！メリットや売却の流れも解説

空き家を売却する方法のひとつとして、不動産会社による買取があります。
買取は短期間で売却できる反面、市場価格より低くなることが多いため注意が必要です。
特徴を理解し、状況に応じた売却方法を選ぶことが大切です。
この記事では、空き家買取のメリットやデメリット、売却の流れを解説します。

空き家買取のメリットについて

空き家の活用や管理は大きな課題となります。
特に、使用予定のない空き家を処分することは、経済的・精神的な負担を軽減する重要な手段です。
ここでは、空き家を不動産会社に買い取ってもらう際の主なメリットを解説します。

早く売却できるメリット

空き家の買取は、仲介売却よりも早く現金化できる点が大きな利点です。
仲介では買主探しに数ヶ月かかる場合がありますが、買取は不動産会社との直接取引のため、査定から契約、引き渡しまでが短期間で進みます。
その結果、固定資産税や維持管理費などの負担を早期に解消でき、資金計画も立てやすくなります。
築年数が古い物件や遠方に住んでいて管理が難しい場合でも、スムーズに売却しやすい点は大きな魅力です。
たとえば仲介売却では、買主が住宅ローン審査に時間を要するなどの要因で取引が長期化することが珍しくありません。
買取であればこうした手続きの工程を省き、契約締結後は短期間で残代金を受け取れるため、早期に生活設計を整えられる利点があります。
資金繰りが厳しい場合や急な費用が必要なときにも大きな助けとなるでしょう。

取り壊しの手間が省ける利点

空き家を売却する際、老朽化が進んでいる場合は解体やリフォームが必要なことがあります。
しかし、買取では現状のまま売却できるケースが多いため、解体費用や修繕費を抑え、手間も軽減できます。
築年数が経過した建物でも、不動産会社が再販や再利用のノウハウを持っている場合、そのまま買い取ってもらえる可能性があります。
近隣への配慮や手続きといった負担を減らせる点も、大きなメリットです。
ただし、買い取った不動産会社が建物を活かして再販するのか、あるいは取り壊して更地にして売り出すのかによって、買取価格に差が出る場合もあります。
現状のまま売れるというメリットは大きい一方で、建物の老朽化や構造上の問題があまりに深刻な場合は、追加費用を見込まれて買取価格が下がることもあるため、事前に建築専門家などからアドバイスを受けておくと安心です。

家具が残っていても売却可能なケース

空き家に家具や家財道具が残っている場合、それらの処分には手間と費用がかかります。
しかし、不動産会社の買取では、家具が残ったままでも買い取ってもらえることがあり、不要品処分に悩む必要がありません。
遠方に住んでいて片付けが難しい場合や、高齢で整理が困難な場合でも、買取を利用すれば円滑に売却を進めやすくなります。
遺品整理が必要なケースでサポートを受けられることもあり、売主の状況に合わせて柔軟に対応できる点が大きな魅力です。
ただし、あまりに大量の家財道具が残されている場合は、事前にある程度の処分が必要になることも考えられます。
処分費用についても不動産会社と相談し、見積もりなどを確認しておけば、後からトラブルになるリスクを抑えられます。
以上のように、空き家の買取には、迅速な売却や手間の軽減など多くのメリットがあります。
処分を検討している方は、これらの利点を踏まえ、買取を選択肢として考えてみてはいかがでしょうか。

空き家買取のデメリットについて

空き家を不動産会社に買い取ってもらうと、迅速な現金化や手間の軽減といった利点があります。
しかし注意すべき点もあるため、買取の主なデメリットについて解説します。

市場価格より安くなる可能性

買取は、仲介売却と比べて売却価格が低くなる傾向があります。
これは、不動産会社がリフォームや解体などに伴う費用やリスクを考慮し、買取価格を設定するためです。
一般的に市場相場の60～80％程度となることが多く、築年数が古い物件や立地条件が厳しい物件では、さらに低くなる場合もあります。
買取は手間を省ける一方、市場価格より安くなる点に留意することが大切です。
特に、建物に耐震性の問題がある場合や、大幅な修繕が必要と判断される場合には、想定以上に低い買取価格が提示されることもあるため注意が必要です。
実際に仲介で売却した方が高値で取引できるケースもあるので、複数の選択肢を検討しながら判断することが大切となります。

買い取ってもらえない場合のリスク

すべての空き家が買取対象になるとは限りません。
老朽化が著しい物件や需要が低いエリアの物件、または権利関係に問題がある物件などは、買取を断られることがあります。
その際は仲介売却や他の活用方法を検討しなければなりません。
買取を希望する場合は、複数の不動産会社に査定を依頼して比較することが重要です。
なお、周辺環境が不十分な地域や治安に不安があるエリアなども、買取を敬遠されがちです。
こうしたケースでは、自治体が実施している空き家バンクを活用するなど、別の売却手段を模索することも検討してみましょう。
以上のように、空き家の買取には売却価格の低下や物件の状態次第で買取が難しい場合があるなど、注意すべき点があります。
これらを理解した上で、最適な売却方法を検討しましょう。

空き家買取の流れについて

ここからは、空き家の買取手続きの流れを解説します。
各段階の注意点を押さえ、スムーズな売却を目指しましょう。

査定を依頼する手順

まずは信頼できる不動産会社を選び、空き家の査定を依頼します。
査定には、物件情報を基に概算を出す机上査定と、実際に訪問して詳しく調べる訪問査定があります。
複数の会社に依頼し、査定額や対応を比較することで、適切な売却先を見極めましょう。
事前に権利関係や境界線の確認、必要書類を準備しておくと、査定がスムーズに進みます。
訪問査定では、建物の構造や使用状況だけでなく、雨漏りの有無や設備の故障など細かな点まで確認されることがあります。
あらかじめ水回りや内装の状態を把握しておくと、査定担当者とのやり取りをスムーズに進めやすいでしょう。

売買契約の進め方

査定結果に納得できる会社が見つかったら、売買契約を締結します。
契約前に売却価格や手付金、引き渡し時期、契約解除などの条件をよく確認し、不明点は質問しましょう。
契約時には印鑑証明書や権利証、本人確認書類などが必要です。
契約後、手付金を受け取り、残代金の支払いと物件の引き渡しに向けて準備を進めます。
この間に引っ越しや残置物の処分などを行い、円滑な引き渡しに備えましょう。
ちなみに、売買契約締結の際には重要事項説明が行われますが、このとき物件に関する詳しい情報や法令上の制限などが説明されます。
疑問点があれば遠慮なく質問することで、後のトラブルを回避しやすくなるでしょう。

引き渡しの流れと注意点

売買契約後、通常1～2ヶ月以内に引き渡しが行われます。
当日は残代金の受領や所有権移転登記、物件の鍵の受け渡しなどを、買主や司法書士、不動産会社担当者と立ち会って進めます。
引き渡し前には物件内の残置物を撤去し、契約で定められた状態に整えておきましょう。
家具や家電などを残す場合は、契約内容に応じて処分または引き渡しを確認してください。
公共料金の精算や住所変更なども忘れずに行い、トラブルを防ぎましょう。
遠方に住んでいて立ち会いが難しい場合は、代理人を立てるなどの対応が必要です。
引き渡し当日は不備が見つかることもあるため、設備を事前に確認しておきましょう。

まとめ

空き家の買取は短期間で売却できる反面、市場価格より安くなる可能性があるため慎重な判断が必要です。
買取と仲介の違いを理解し、価格やスピードを比較しながら、自分に合った方法を選びましょう。
売却の流れを把握して査定から引き渡しまでスムーズに行い、空き家の負担を軽減してください。